韓国の環境保護活動家や市民運動家を連れて、国営諫早湾干拓地を視察しました。
農地造成・防災を目的に、2600億円かけて作られた農地を50分の1の値段で長崎県農業振興公社に払い下げ、それでも、入植者がおらずやむなくリース方式で貸し出している農地。
かたや、1997年の潮受堤防締切により今も深刻な漁業被害に見舞われている漁業者たち。
この問題は、農業対漁業の構図で語られることが多いのですが、それは間違っています。もし記者の中にそのような記事を書く者がいれば勉強不足も甚だしいと言わざるを得ません。
農業と漁業は、一方を立てれば他方が犠牲になるという構図じゃないことは少し考えれば分かることです。
問題の本質は、農業対漁業の構図に落とし込み国民の批判が政治に向かないように仕向けるしか能がない、首相、農相、農水官僚、長崎県知事のあまりの無策ぶりです。
漁業と農業は両立発展できます。そうじゃなければ四方を海に囲まれた日本ではすべての海岸の沖に防潮堤を設け、その中を淡水のダムにしなければなりませんが、そんな馬鹿げたことしているのは諫早だけです。
今日、ちょっと説明を受けただけの韓国の市民から「旧来の干拓地の堤防をきちんと整備して排水設備を整えればいいだけなんじゃないの。それでもなお農業に被害が出たら補償すればいいだけの話じゃない。なんでそんなことも分からないの」との発言が飛び出しました。。
その通りです。