市民と弁護士が行っている憲法学習会「terra cafe kenpou」
今夜は、障がい者援護会でんくる元代表の古賀稔章さんから優生保護についてお話を伺いました。
冒頭、バス乗車を拒否される車椅子の障害者の姿と、これまで閉じ込められて来た障害者達が街へ出ようと闘う姿を描いた「街に出よう-福祉への反逆-」(1977・TBS)を視聴しました。
https://youtu.be/AOq2IgmbtB8
車椅子であることや、言葉が上手く発せないことを理由にバスに乗せてもらえず、そればかりか、バスの運転手がバスに乗った障害者をバスから下ろす。機動隊まで出動して歩くこともできない障害者を排除する。「車椅子の人がバスに乗るなんて無理なんだよ」とバス運転手は言い捨てます。しかし、やろうと思えばできることは今を見れば明らかです。「無理」だと決めつけていたのはバス会社(市)や運転手たちの勝手な「常識」に過ぎません。いつの時代でも無理だと決めつけているのは人の心であり、本当はやればできることばかりです。僕は最近、学校の制服についてそれを感じています。制服なんて明日からでも無くすことは難なくできるのにね。
この映像の中で排除される女性が「どうして障害者がバスに乗っちゃいけないんですか。車椅子は私の足なんですよ」と訴えます。このごくごく当たり前の主張が排除されます。
これは笑い話ではなく、今、私たちも勝手な常識に縛られて本来当たり前の要求を封じ込めていないでしょうか。
古賀さんの言葉
「自分も店先で、野良犬のように『シッシッ」と追い払われたり銭湯の親父やおかみさんから介護者に『どうして連れて来たのか』と言われたりしながら、頭にきたので週に二日は通った」
「長男を連れてラーメン屋に入ったら、店主が不機嫌に『金はいいから、もう来るな。お前らみたいなのがいるから、世の中から理解されねえんだ』と怒鳴られた」(←自分の子の目の前でこんな理不尽なことを言われた時の古賀さんの怒りや悔しさは計り知れません)
「現代の社会には、ニートや非正規雇用者、格差のいろんな面で不安感や絶望感が広がっているようで、すでに分断されているようだ。だからこそお互いを認め、どんな立場が違う人たちとも交流し、真の相互理解が必要だと思う。相手を見下し排除するのではなく、些細な機会から知り合い、気を遣わずに踏み込んで知り合っていけば差別と偏見はなくせると思う。そうやって身近に触れたことがない自分と違う者を異端視することがなくならないし、差別と優生思想はなくならないと思う。これまでいろんな困難があったけど絶望ではないと思う、自分も随分といろんなことが起き行動できずに挫折したけど、夢や希望は一人ひとり捨てないで持てると思う。一方、世界中で、貧困や格差、失業が不満となり移民排除や保護主義になっている。(イラク、シリア空爆、難民の排除、ネオナチ、KKK、オルトライト、新たな白人至上主義など)自分以外のことは考えない。自分本位でよく、白人以外の存在を認めない。それが自分たちの生活を安定させることだと考えているようだ。そして優生思想は、そういう感覚の人たちが権力を持つとどうなるか。自分本位でやりたいことだけを決めて守ろうとし、自分たちと違う人々や困難な状況に置かれている人たちの要望を聞かずに勝手なことを決めていくことだ」
来週(5/30)は、日曜コラムニストの浅香勇貴さんに「21世紀の世界と私たちー明日の日本社会を考える」をテーマに20代30代の彼の目線で未来を語ってもらいます。
テーマ 21世紀の世界と私たちー明日の日本社会を考える
講師 浅香勇貴さん・日曜コラムニスト
日時 5月30日(火)19:00-21:00
場所 光円寺門徒会館(天神3丁目15-12)
参加 無料
【今後の予定】
terra cafe kenpouの今後の予定をおしらせします。
特に記載がない限り火曜日19時〜光円寺門徒会館(天神3丁目15-12)です。
予定は入れ替わるかもしれません。下記サイトでスケジュールをご確認ください。
https://ohashilo.jp/lawyer/goto/active/terra-cafe-kenpou/
なお急遽会場変更になることもございます。変更の場合は下記サイトでご案内します。
https://ohashilo.jp/blog/
5月30日 「21世紀の世界と私たちー明日の日本社会を考える」(浅香勇貴さん・日曜コラムニスト)
6月6日 お休み
6月13日「キャンドルデモクラシー 〜現代韓国民主主義の力〜」(日高明子さん)
6月20日「米軍が最も恐れた男~あなたはカメジローを知っていますか?」(報告安河内信人さん)
6月27日「優生保護法-見えない道(福田光子さん・元純真大学教授)」
7月4日 お休み
7月11日 調整中