校則の制定にあたって、少数派の意見も尊重しつつ、児童生徒個人の能力や自主性を伸ばすものとなるよう配慮することも必要(児童生徒の権利の理解→子どもの権利条約、こども基本法)。

校則を守らせることばかりにこだわることなく、何のために設けたきまりであるのか、教職員がその背景や理由についても理解しつつ、児童生徒が自分事としてその意味を理解して自主的に校則を守るように指導していくことが重要。

学校ホームページ等で公開しておくこと、制定した背景等も示しておくことが適切。

校則違反に対しては、行為を正すための指導にとどまることなく、違反に至る背景など児童生徒の個別の事情や状況を把握しながら、内省を促すような指導となるよう留意しなければならない。

その意義を適切に説明できないような校則については、絶えず見直しを行うことが求められる。

校則によって、不要に行動が制限されるなど、マイナスの影響を受けている児童生徒がいないか、どのような配慮が必要か、検証・見直しを図ることも重要。

児童生徒や保護者等からの意見を聴取した上で定めることが望ましい。児童会・生徒会、保護者会で校則について議論する場を設けることなども求められる。

校則策定・見直しの手続き・過程を示しておくことが望ましい。

校則見直しに、児童生徒が参加し意見表明することは、学校のルールを無批判に受け入れるのではなく、自身がその根拠や影響を考え、身近な課題を自ら解決するといった教育的意義を有する。

不適切な指導の例
・大声で怒鳴る、ものを叩く・投げる等の威圧的、感情的な言動で指導する。
・児童生徒の言い分を聞かず、事実確認が不十分なまま思い込みで指導する。
・組織的な対応を全く考慮せず、独断で指導する。
・殊更に児童生徒の面前で叱責するなど、児童生徒の尊厳やプライバシーを損なうような指導を行う。
・児童生徒が著しく不安感や圧迫感を感じる場所で指導する。
・他の児童生徒に連帯責任を負わせることで、本人に必要以上の負担感や罪悪感を与える指導を行う。
・指導後に教室に一人にする、一人で帰らせる、保護者に連絡しないなど、適切なフォローを行わない。

【生徒指導提要を読んだ感想】
校則見直しの手続きや過程を示すことが望ましいとした点や、不適切な指導(例えば「連帯責任」など)を具体的に列挙するなど、これまでよりも踏み込んだ内容となっている。
しかし、校則ありき、校則の有用性が出発点にあるのは残念。
本来、児童生徒には大人と同様に自由(人権)があり、その自由(人権)はむやみに制限してはならないという大原則をきちんと確認していない点は問題だと思う(カッコ書きで「児童生徒の権利の理解」として子どもの権利条約とこども基本法のページを紹介してあるのみ)。
とはいえ、現場の教師がせめてこの生徒指導提要を守ってくれれば学校は随分と幸せな場所になる。

生徒指導提要
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1404008_00001.htm
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