福岡県弁護士会オンラインシンポ「誰もが幸せになれる学校」

盛況でした。

冒頭、Proud Futures共同代表の小野アンリさんから、性別を問わない選択制標準服導入の経緯と課題についてお話しいただきました。標準服の選択制を女子がスラックスを選べるようになったと狭く捉えてはいけないこと、大人の側で門戸を閉ざさないことの大切さ、そして、私達の頭にある偏見をもみほぐすこと、選んでも不利益を受けないという環境を作ることの大事さなどを実際の取組みをもとにお話しいただきました。

次に、LGBTの家族と友人をつなぐ会in福岡の中島みつこさんから、2015年に地域の男女共同参画推進委員のはたらきで小学1年生の黄色い帽子が男女統一された事例からも大人が声をあげることの大事さをお話しいただき、就学前の幼稚園や保育園で厳然と男女分けがなされている現状、しかもそれが良いこととして行われていることなど、学校やその周辺に残っている不必要な男女分けについてお話しいただきました。

福岡県弁護士会校則PT座長の佐川民さんからは、弁護士会の取り組みとそれを受けた福岡市教育委員会の動きなどを報告。学校に根強く残っている不必要な性による区別で苦痛を感じる生徒がいることから、福岡県弁護士会として、2017年に「LGBTと制服」のシンポジウムを開催し、2020年には福岡市立中学校全校の校則調査をし、今年2月に弁護士会として意見書を提出。それを受けて、福岡市ではLGBT支援者や弁護士を交えた校則見直検討協議会を開催し今年7月、福岡市立中学校校長会が「より良い校則をめざして」を発表し、各校に校則の思い切った見直しを求めるとともに、見直しの際には生徒や保護者を交えた校則検討委員会で検討することなどが求められていることを報告いただきました。

福岡市立東住吉中学校教務主任の明石浩司さんからは、学校現場の現状と、校則見直しの動きとそれに対する現場の教師の受け止め方、生徒の意見の取り入れ方などについて報告いただきました。また、教師が多忙であり、社会との接点が少ないことから、閉鎖的で視野が狭くなりがちで、そのしわ寄せが生徒たちに来ていることなどの教育現場が抱える課題についってもお話しいただきました。

校則を見直すことで学校が荒れたらどうしようと不安を抱える教師もいると思います。明石さんも、以前は校則を守らせることに熱心な教師でしたが、フィンランドの教育現場を視察して、子どもたちを主体とした教育へと考え方が変わりました。

そこで、後半は、明石さんにフィンランドの学校教育について報告していただきました。

20人学級にアシスタントティーチャーが5人いるのは驚きの光景でした。それにしても、フィンランドの学校の教室のカラフルなこと、職員室がカフェのような寛げる雰囲気であること、多様性ってこういうことなんだよなって感じました。

視聴者からの質問やご意見に各パネリストがコメント。

校則だけでなく、学校における子どもの権利について、佐川さんから、弁護士会としてオンブズマンのような形で関わっていく方法があるのではないかとのお話がありました。

パネリストの皆さんの言葉と行動に勇気と性的マイノリティはもちろん誰ひとり取り残さない教育環境の実現のためのヒントをいただきました。

#校則

#LGBT

#九州レインボープライド

https://www.fben.jp/whatsnew/2021/10/post_721.html