三井三池炭鉱宮浦坑中国人殉難者慰霊祭において中国人強制連行強制労働事件弁護団弁護士として挨拶をしました。

この慰霊碑には多くの中国人殉難者の名前が刻まれています。それだけではなく大牟田に到着する前に船の中で死んでしまった者、使い物にならないと生きたまま海に投げ捨てられた者、連行される際に抵抗し殺された者、わが子を守ろうと日本兵の手にかかった母親など、多くの悲劇を残しました。10代前半の子ども達も母親から切り離され、目の前で母親を殺され、ここに連れてこられました。
命からがら中国に帰ることができた者にも筆舌に尽くしがたい苦難が待ち受けていました。彼らをもっとも傷つけたのは、加害者であるにもかかわらず、責任を認めず開き直りに終始した日本政府と企業の不誠実な態度でした。
裁判では、中国人が受けた苦難、そして日本政府と企業の加害行為については詳細に認定したものの、時効など法的な理屈で中国人の請求は退けられました。
しかし、それでも裁判所は政府と企業に対してこの問題の解決を求めました。
その声に応え、最大の加害企業である三菱鉱業所(現、三菱マテリアル)は、企業として、中国人犠牲者に謝罪するとともに、全国の加害の現場に記念碑を建立することを約束しました。
それにもかかわらず、国策として中国人強制連行強制労働を進めた日本政府は、未だに中国人犠牲者に謝罪をしようとしません。同じく加害国であるドイツが「過去に目を閉ざす者は現在にも盲目になる」として、すべての犠牲者に謝罪と賠償を続けていることとは対照的です。
中国は、日本にとって歴史的にも地理的にも切り離せない国です。福岡の街には中国からのお客様でいっぱいです。引っ越しできないお隣同士、仲良くしていきましょう。
日本と中国の永遠の友好、東アジアの平和の実現のために、力を尽くすことを、ここに眠る中国人殉難者に誓います。