眉毛別室指導に関する久留米市議会での教育部長の答弁、ツッコミどころ満載。こんな答弁で許されるんなら学校は治外法権で、教師が生徒の自由を無限定に奪うことができるようになる。人権無視の無法地帯。
金子むつみ市議:久留米市内の中学校で、生徒が眉毛を剃ったことを理由に教室に入れてもらえず別室指導。これは学習権の侵害であり、子どもの権利条約にも違反している。
教育部長:校則には法令上の根拠はないが、判例では、学校は教育目的を達成するために必要かつ合理的範囲内において校則を定めることができ、生徒の行動に制限を課すことができるとされている。
金子:「合理的」というのは道理や理屈に適っている様を言い相手が納得できるきちんとした説明ができるもの。眉毛を揃えて何がいけないのか、納得いく説明はない。しかも教室に入れず別室での指導。別室に入れば眉毛が生えてくるのか。それも3日間で。壁に向かって宿題させる指導が合理的範囲の校則に入ってはいけない。
教育部長:個別の案件についての答えは控える。別室での指導が直ちに合理的でないとは言えない。
金子:(写真を示し)この眉毛が校則違反だと。身だしなみを整える範囲じゃないか。校則や内規で、暴力、万引き、飲酒といった校則違反は別室指導となっているが、これらの行為は法律にも反しているから別室指導も分からんでもない。しかし、眉毛を整えることも内規では別室指導となっている。犯罪と同等に扱われている。思春期の子ども達が清潔でありたいと思って身だしなみを整えることがなぜ犯罪と同等なのか。合理的範囲とは言えない。
教育部長:眉や髪型に気を取られて肝心の学習が疎かにならないように心配したもの。
金子:(写真を示し)壁に向かって別室指導が行われている。この生徒は「私は何も悪いことはしていない。大人の皆さんに自分の辛い思いを分かって欲しい」と訴えている。市教委として行き過ぎた指導を改めさせる必要があるのではないか。
教育部長:個別事案の答えは控える。校則と指導に合理性が乏しいと客観的に判断される場合は学校に対し適切に指導する。
金子:これが合理的指導と言われたら、憲法にも子どもの権利条約にも違反するし、学校生活が成り立たない。
金子:(写真を示し)これ、最近注意された髪型なんです。三つ編みのように編み込んだ髪型。校則の見直しがされている最中に校則違反だと指導された。なぜいけないのかと聞くと、先生は不潔だからと。この学校は本当に校則を見直す意思があるのか。文科省が昨年5月に通知を出し教育委員会としても(校則見直し)の取り組みを開始していると聞いた。教育委員会としてどう見直しを進めていくのか。
教育部長:それぞれの学校の校則は地域の実情や歴史などを踏まえたもの。ただ、社会情勢の変化などを踏まえ適宜見直していく。
金子:(校則見直しの理念と)子ども達への懲罰は相容れない。子どもの学習権を保障することが目的の校則が子どもの人権を著しく制限している。行き過ぎた指導から追い詰められ不登校になっている生徒も少なくない。校則の内容は、憲法、法律、子どもの権利条約を逸脱しないこと。すべての子どもへの合理的配慮を行い、少数の声にも配慮して校則の見直しを進めていくこと。
教育部長:指導を行う場合、単なる制裁にとどまることのないようにしなければならない。別室指導については、他の生徒がいる前での指導が教育的に好ましくないと判断し、個別に説諭したもの。直ちに人権侵害には当たらない。
金子:教育部長は別室指導が必要と言ってるが、3日間も必要か。
教育部長:一律に3日間だからというのではなく、どの学校も実情に応じた指導を行なっている。
金子:明らかに学習権の侵害。教育長は多様性を重んじると言っている。しかし、鈍感で対応が遅い。校則がなければ学校が荒れるという根拠なき言説があるが、人権侵害で、多くの子ども達が悩み苦しんでいるブラック校則はなくすべき。
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