【福岡市】よりよい校則を目指して
福岡市の制服を考える会や福岡県弁護士会などからの意見を受け、福岡市では、福岡市立中学校校則検討協議会を設置しあるべき校則について議論を進め、福岡市立中学校校長会
が校則に関するガイドライン「よりよい校則(生活のきまり)を目指して」を策定しました。
弁護士の目からみるとまだまだ不十分ではあるものの、良い方向への改革の第一歩といえます。
このガイドラインでは、提案に至る経緯について、国際化や性的マイノリティへの対応などを背景に新標準服を導入したものの「従来の詰め襟、セーラー服と同様の校則を新標準服に当てはめることに無理が生じ」たこと、「校則に関する世論も高まって」いることから、「社会の変化に適応し、生徒の人権を尊重した、よりよい校則への見直し」を提示したいとしています。
その上で校則の意義については「校則は生徒のためのもの」であることが確認され、生徒を管理するためのものではないことが念押ししています。
そして、校則を通して
・自分でよりよいものを選択する力
・一人ひとりの人権・多様性を尊重する態度
を目指すことが確認されています。
現在、福岡市内の中学校の校則や指導はこの意義とまったく逆のことをしていると言わざるを得ないでしょう。
さらに校則見直しで留意する点として、
・生徒一人ひとりの人権の尊重
が掲げられています。生まれ持った髪色や髪質を否定するような指導は絶対に許してはいけませんし、下着の色検査などの人権侵害も許されません。いわば当たり前のことが確認されたわけですが、その社会の当たり前が通じないのがこれまでの学校でした。
また、校則は「生徒、保護者が納得できる説明ができるもの』とされています。
ポニーテールにすると後ろにいる人が失明するからとか、ツーブロックだと事件に巻き込まれるといった教師が多用する珍回答は通用しないということです。
さらに、各校に生徒を交えた「校則検討委員会」の設置や、校則をホームページなどで公開することも求められています。
 
ただ、この提言が出たからと言って、現場がすぐに変わることは期待できません。現場を変えるために、私たち大人がこの提言を根拠に声を上げていくことが大事なんだと思います。本来、各校PTAがこの提言をベースに校則の見直しやチェック、校則検討委員会の設置を求めていくべきでしょう。
はっきり言うと教師たちに自主的な改革を期待しても無理ですから。私たち大人が子どもを守らなきゃ。声を挙げなきゃ。