保護者の陳述書

2021年(令和3年)12月20日

 去年二男が中学に入る際に「小学校では今まで私服で登校してたのに、突然みんなと同じ制服を、着たくもないのに何で着てかなきゃいけないの?」と言われてハッとさせられました。

 私は今まで、決まってた事だからと、何故と考えた事すらなかったからです。私は息子と話し合い互いに考えましたが、全く腑に落ちる答えが見つからず、事前に市教委と学校に報告し、私服で登校する事にしました。

 その面談では、安心して登校されてくださいね、と校長は話されました。ところがいざ私服登校した途端に学校から「校則違反だから制服を着て来てください」と指導され、私服で来る時はそのまま教室には入れない、指導室で指導されて教室に入らなければ他の生徒に示しがつかないと言われ、更に息子は担任に私服を着て制服を着てこない事に対して殺人罪の例えを出してきて「社会のルールは個人の為にあるんじゃなく全体の為にあるから、これからそれを学んでいこう。」と言われ、その後息子は「あそこに行くと頭がおかしくなるから行きたくても行けない」と私に話してくれて、1カ月学校を休みました。

 更にその学期末の通知表の欠席理由が【家庭の事情】とこちらに負を負わせた記載をされ、息子には寄り添って頂けない姿勢が続いた為、私は校長に「指導」取りやめの書簡を出しました。

 学校側は謝罪に来られましたが、親子で受けた心の傷は生涯癒えることはありません。親子で公教育の闇と、私を含めた「大人」たちの愚かさを身を持って感じた体験となりました。

 私の二人の息子たちは、公立中に入学した直後に、余りにも一方的で容赦ない理不尽過ぎる校則や学校の権力による制圧に初めて直面し、行きたくても行けなくなり、長男はフリースクールへ転校、二男は1カ月程登校を拒否しました。

 当時息子達が心身衰弱する姿を日々目の当たりにし、親の私は腸の煮え繰り返る思いでした。

 それと同時に何故こんな事を公教育はずっと何十年も変わらずに、それどころか年々エスカレートさせた校則を子どもに押し付けてきたんだろう、何故先輩の保護者や教師は声をあげず黙っていたんだろう、と思いました。

 PTAは何で今まで学校に校則の問題提起すらしないんだろう、と。自分を含めた「大人」たちが沈黙している事へのとてつもない気持ち悪さと向き合う事に直面させられました。

 息子達は「中学は刑務所だ」と口々に私に訴えてくれました。毎日規則を否応なく守らされ、ある日息子が髪が耳にかかっても切らずにいると、生活点検委員にさせられたクラスメイトが「規則を破ってばかりいると、社会に出たら犯罪者になるよ」と真面目な顔で息子に話したそうです。

 「あんなにいい奴にあんな事を言わせるのはあの学校だよ」と哀しい顔で私に話してくれた息子の顔を今でも忘れる事が出来ません。

 私はどこの生徒も、笑って楽しい学校生活を送って欲しい、と心から強く思い、今回の要望書を同じ思いを持つ保護者の皆さんと提出しようと思い立った次第です。

以上