本日、参議院本会議における採決の強行により、平和安全法制整備法及び国際平和支援法(以下、あわせて「安保法制法」という)が成立した。
日本が直接攻撃されていないのに、自衛隊が海外において他国の軍隊と一緒になって武力行使することなどを可能とする安保法制法は、恒久平和主義を基本原理とする日本国憲法に違反するものである。
さらに、憲法の基本原則に反する法律を制定したという点において、立憲主義にも反する。
くわえて、世論調査によれば、多くの国民が今国会において安保法制法を成立させるべきでないと考えているにもかかわらず、安保法制法案の採決を強行したことは、民主主義の精神をも踏みにじるものといわざるをえない。
安保法制法が憲法違反であり立憲主義をないがしろにするものであることは、当会をはじめとする全国の弁護士会、弁護士会連合会、日本弁護士連合会が繰り返し指摘してきただけでなく、多数の憲法学者、元長官を含む元最高裁判所裁判官や歴代の元内閣法制局長官も明言しているところである。
このような状況のなか、衆議院に続き採決の強行により同法を成立させた政府与党等の愚挙に対し、当会は断固として抗議し、人類の叡智として育まれてきた立憲主義の将来を深く憂慮するものである。
当会は、国民と手を携え、憲法に違反する安保法制法の速やかな廃止を今後とも求め続けていく。また、廃止以前の時点においても、安保法制法の規定する措置が発動されることがないよう、全力を尽くす決意である。
2015年(平成27年)9月19日
福岡県弁護士会
会長 斉藤芳朗
http://www.fben.jp/statement/dl_data/2015/0919.pdf