「LGBTは今」(西日本新聞2017.10.11「ほう!な話」)

▼Q
中学1年の娘が入学以来学校に行こうとしません。セーラー服を着たくないからだと言います。小さい頃からスカートを嫌がり、ズボンばかりはいていました。
▼A
親としては心配だとは思いますが、まずはお子さんの気持ちに寄り添うことが大切です。なぜセーラー服を着たくないのか-。一つの可能性として、お子さんが自分の性をどのように捉えているのか、ということに関わりがあるかもしれません。
私たちは出生時に身体的特徴などから「男性」「女性」の性別を割り当てられます。けれども人によっては、成長過程で自分自身をどんな性だと捉えるか(性自認)、どんな髪形にして、どんな服を着たいか(性表現)といった点で、割り当てられた性別や、あてがわれる制服が、自分の考える性別や、違和感なく過ごせる衣類と一致しない、ということが起こり得ます。
男性は学ラン、女性はセーラー服といった服装指定が、性自認や性表現に合致せず、苦しんでいるのかもしれません。お子さんの気持ちをじっくり聞いてみてください。
現在多くの中学校では、性と性自認に違和感がある場合、体操服での登校や性自認に沿った制服の着用を認める対応をしています。学校側と協議してみてはいかがでしょう。さらに言えば、学校への相談なしに、誰もができる限り違和感なく学校に行ける環境を用意することが重要です。弁護士会では14日にシンポジウム「LGBTと制服」(情報ダネ!参照)を開催し、この問題を取り上げます。

http://www.fben.jp/hou/20171011.html