市民と弁護士が行っている憲法学習会「terra cafe kenpou」

今夜(2/16)は、若手僧侶の金見倫吾さん(筑紫女学園大学非常勤講師、浄土真宗本願寺派僧侶)、中川一晃さん(浄土真宗本願寺派僧侶)から「兵戈無用-若手僧侶が語る平和」をテーマにお話を伺いました。

なぜ浄土真宗が社会問題を語らなくなったのか。
何をしてきたのか。
【江戸時代】
1638年 宗門改が施行←島原の乱がきっかけ。幕府は信仰の恐ろしさを感じ、キリスト教の解体と、寺と檀家の関係。←宗教とは本来教えを聞き、自分の意思で選ぶもの。しかし、日本の場合は、宗門改により強制的に寺の檀家となることを押し付けられた。信仰を選ぶ喜びなどなかった。日本人の宗教観はここから来ている。
寺院住職は民衆の管理機関となった。出生、死亡、婚姻、旅行等の戸籍移動の証明も住職の役割。
管理機関となることにより幕府から維持費が貰える。
宗門人別帳により部落差別の拡大・強化に繋がった。
【明治〜終戦】
幕末の本願寺の立ち位置は「尊皇攘夷」。
朝廷に対して莫大な額の献金。
明治になって3か月後に西本願寺は阿弥陀堂に安置していた徳川家康の位牌を撤去。
明治政府の天皇制のモデルになったのは本願寺派の門主制と言われている。
国家神道を国の指針に掲げた政府→廃仏毀釈による弾圧(教団にとっては予想外)→教団維持が加速。政府に迎合していく→教団維持を目的とする中で教えそのものも変わっていった→その際たるものが戦争への加担。「靖國浄土」戦意高揚のための説法。親鸞上人の天皇批判の教えに墨を塗る。しかも教団は自主的に親鸞上人の言葉を削除した。仏具供出も教団は自主的に行った。親鸞上人の「兵戈無用」の教えに反する行動を教団は自ら行った。門徒を積極的に戦地に送った。
教団は教えを都合よく解釈してきたことが問題。死後浄土だけで平等を語る結果、現実社会での不平等には目をつぶり差別を強固にしていった。「業」も現実社会から目を背ける原因となっている。
【戦後】
浄土真宗は、過去の過ちをきちんと反省したとは言えない。
門徒の宗教・政治態度。
人がお念仏から得る最大のご利益は、その個人の心が安らかになることである→現実の差別や戦争に目をつぶりがちになる。
布教使は仏法を説くべきであって、政治について語るのはもってのほかだ。
政治活動をすることよりも教えを聞くことの方が大切だ。
政治に対していたずらに批判するよりも、政府のやり方に国民が協力することの方が大切なことだ。
労働者がストライキなどをするには、共産主義者がうしろで扇動するからだ。
宗教理解:内面を重視、神道-天皇制に肯定的
政治態度:社会問題への関わりは「政治に対して批判的ではない」に限定
(例)被災地ボランティアには行くが脱原発は言わない。
もっとも、戦地に赴き地獄を見た人が浄土真宗に帰依する例もある。本来の親鸞の教えに共鳴。
【親鸞の仏教理解】
回心(えしん)
自力の誤りに気づく力が「他力」
釈迦の説いた「非我」
釈迦当時の状況=バラモン教、業報、輪廻思想、呪術、厳しい身分制度(カースト制)
釈迦の教え:自分の命は自分のものではない。「すでに自己が自分のものではない。ましてどうして子が自分のものであろうか。どうして財が自分のものであろうか」
親鸞「回心」=能力や行いの善悪によって人に優劣をつける相対的価値から離れる=絶対・平等な命の尊厳に気づかせるはたらき(=他力)の成立
【僧侶が安保法に反対すること】
門徒からは政治の話をするなとの声も出る。しかし、政治の話は命の話。命の尊厳を脅かすものに対しては声を上げていく。安保法にも反対していく。それが浄土真宗の教え。

盛り上がったので、第2回として「兵戈無用-若手僧侶が語る平和2」を行います。
第2回では、浄土真宗による平和への取り組み-ヤスクニ問題などに踏み込みます。
第2回は4月19日を予定しています。

来週(2/23)のテーマは「暴力の連鎖を断つには〜圧倒的な暴力に囲まれる子どもたちを考える」です。
お楽しみに。

日時 2月23日(火)18:45(いつもより開始時間が15分早くなっています。ご注意ください)
場所 光円寺門徒会館(福岡市中央区天神3-15-12)
テーマ 「暴力の連鎖を断つには〜圧倒的な暴力に囲まれる子どもたちを考える」
素材映画「未来を生きる君たちへ」

terra cafe kenpouの今後の予定をおしらせします。
特に記載がない限り火曜日19時〜光円寺門徒会館(天神3丁目15-12)です。
予定は入れ替わるかもしれません。下記サイトでスケジュールをご確認ください。
https://ohashilo.jp/lawyer/goto/active/terra-cafe-kenpou/
なお急遽会場変更になることもございます。変更の場合は下記サイトでご案内します。
https://ohashilo.jp/blog/

2月23日12:30 「福島みずほランチミーティング」福島みずほ(参議院議員)@HAPPY HILL3500円
2月23日18:45「暴力の連鎖を断つには〜圧倒的な暴力に囲まれる子どもたちを考える」
3月1日 休み
3月8日「琉神マブヤーから沖縄を考える」
3月15日18:15 「座間宮ガレイ参院選勉強会」座間宮ガレイさん(選挙ジョッキー)@中央市民センター 1000円
3月22日 休み
3月29日「本土の沖縄米軍基地を引き取る?」里村和歌子さん(「引き取る会・福岡」)
4月5日「子ども病院移転決定の闇」石村善治さん(福大名誉教授)、福田光子さん(元純真大学教授)
4月8日(金)18:00 豊田勇造ライブ(光円寺)
4月12日 調整中
4月19日「兵戈無用-若手僧侶が語る平和2」金見倫吾さん(筑紫女学園大学非常勤講師、浄土真宗本願寺派僧侶)、中川一晃さん(浄土真宗本願寺派僧侶)