市民と弁護士が行っている憲法学習会「terra cafe kenpou」
昨夜のterra cafe kenpouは、福岡県議の原中誠志さんから朝鮮人強制労働の実態についてお話を伺いました。
飯塚市の無窮花堂には未だ引き取り手のない朝鮮人労働者の遺骨が納められている。
この無窮花堂に対し、右翼団体が攻撃を仕掛けている。その内容は
1 無窮花堂は飯塚市の土地を不法占拠している。
2 国際交流広場が自虐史観に基づく反日広場になっている。
3 強制連行・強制労働はなかった。
など。
彼らこそ客観的な事実に反し、自分の考え以外を認めない偏狭な歴史観。
朝鮮侵略前史 1875年(江華島事件)-1909年(伊藤博文統監暗殺)
統治期 1910年(日韓併合条約調印)-1938年(国家総動員法制定)
完全支配期 1939年(労務動員計画「募集」の開始)-1945年(終戦)
キーポイントは1905年
7月 桂・タフト協定:日米が互いに大韓帝国、フィリピンの支配圏を確認し合った。
8月 第二次日英同盟
9月 ポーツマス条約:ロシアも日本の挑戦支配を認める。
1910年 日韓併合
「会社令」制定:朝鮮人による会社設立を制限
1912-1918年 土地調査事業本格化
日本語が読めず手続きが煩雑なため申告ができず朝鮮人の土地の多くが日本の国有財産になった。
そのため土地を失った農民が大量発生。
小作料負担が農民の生活を圧迫
生活苦のため日本や満州へ移住。→自らの自由な意思で日本に来たと言えるのか?
日本による皇民化政策
・神社参拝の強要
・皇国臣民誓詞
・内鮮共学
・創氏改名
1923年 関東大震災と朝鮮人虐殺。デマに基づいて普通の日本人が朝鮮人を虐殺。犠牲者は6000人を超えると言われている。
1932年 麻生炭鉱朝鮮人争議。麻生炭鉱は筑豊でもっとも多くの朝鮮人労働者を使役し、しかも圧政ヤマであった。過酷な労働に耐えかねた朝鮮人坑夫が待遇改善を求め述べ20日間、2000名を超える朝鮮人坑夫が参加した。
1945年8月 大日本帝国敗北。アジアの人々の解放。しかし、朝鮮は南北分断、民族の分断。
敗戦後、日本国内では「在日」問題が起こる。
敗戦の荒廃から日本経済を復興へと向かわせるきっかけとなったのが朝鮮戦争だった。
「強制連行」をめぐる相克(「強制連行」は”あった”、”なかった”)
「あった」側の主張
・体験者の話
「なかった」側の主張
・軍が関与したとの資料は見つかっていない。
・「強制連行」という言葉は戦後作られた。
※議論が噛み合っていない。
高市早苗議員(自民党)の国会質疑に対し外務省は「大半は自由意思で、戦時中に徴用労務者としてきたものは245人にすぎない」と回答。しかし、この数字は昭和35年の調査に基づく。
1939年に内地に在住の朝鮮人は100万人。1945年には約200万人。わずか6年間で72万(大蔵省、朝鮮総督府の数字。内務省は76万人)-100万人(外務省の数字)もの朝鮮人が増えている事実。ではどうやって100万人も増えたのか。
資料が語る「強制連行」の事実
①募集→日本企業が朝鮮で労働者を「募集」することを解禁した。現地行政機関や警察の関与。住友鉱業(株)内部資料「半島人移入雇傭ニ関スル件」の中に「朝鮮官憲によって強制供出する」との記述。14-18万人
②官斡旋→「朝鮮総督府官報」の田中武雄政務総監の訓示「志望の有無を無視して、強制供出を敢えてし」とある。内務省管理局職員小暮泰用氏の「復命書」に「人質的略奪的拉致等が朝鮮民情に及ぼす悪影響」「全く拉致同様の状態」「夜襲、誘出、その他各種の方策を講じて人質的略奪的拉致の事例が多くなる」。この復命書を契機に徴用令適用。50-57万人
③徴用→1944年、朝鮮に「徴用令」適用。朝鮮総督府の「帝国議会説明資料」に「警察に於ける濃厚なる指導取締」とある。1万-5万数千人(1944年9月から1945年3月まで)
→「強制連行」という言葉が使われていないが「人質的略奪的拉致」「夜襲、誘出」「警察に於ける濃厚なる指導取締」というのは強制連行そのものではないか。
福岡県内務省特別高等課の1944年3月の記録によると朝鮮人労務者は11万3000人。1945年6月の福岡県知事引継書では17万2000人。増加分約6万人が「徴用」者数。文字通りの強制連行。
1939年3月23日、福岡地裁、同検事局の議事録では北九州の朝鮮人労務者数30747人と記載。
朝日新聞が招いた「強制連行」の真実の剿滅→「強制連行」の実態=”徴用の強制性”まで否定されるようになった。
「強制連行」という用語があったか、なかったかという議論(にすり替えるの)ではなく、徴用に”強制性があった”ということを押さえておかなければならない。
本日の勉強会に参加していた福田光子さんから実際の目撃談がありました。昭和19年、女子挺身隊として旋盤作業に駆り出されていた時、多くの朝鮮人が連れてこられた。彼らから話を聞くと「畑から連れてこられた」と言っていた。
来週(11/22)のterra cafe kenpouは、吉野ヶ里遺跡全面保存会の副代表の太田記代子さんと弁護士の池永修さんから、吉野ヶ里メガソーラー問題についてお話を伺います。
日時 11月22日(火)19:00
場所 光円寺門徒会館(天神3丁目15-12)
テーマ 吉野ヶ里メガソーラー問題
講師 太田記代子さん(吉野ヶ里遺跡全面保存会の副代表)、池永修さん(弁護士)
terra cafe kenpouの今後の予定をおしらせします。
特に記載がない限り火曜日19時〜光円寺門徒会館(天神3丁目15-12)です。
予定は入れ替わるかもしれません。下記サイトでスケジュールをご確認ください。
https://ohashilo.jp/lawyer/goto/active/terra-cafe-kenpou/
なお急遽会場変更になることもございます。変更の場合は下記サイトでご案内します。
https://ohashilo.jp/blog/
11月22日 吉野ヶ里メガソーラー問題(太田記代子さん・吉野ヶ里遺跡全面保存会の副代表、池永修さん・弁護士)
11月25日(金)18:30 ふくふくプラザ視聴覚室 イスラエルから来たダニーさんに聞く戦争のある国と戦争のない国~武器を持てば平和になるの?(ダニー・ネフセタイさん)500円
11月29日 総選挙に向けて〜6区からの提言(踊真一郎さん・牧師・みんなで選挙ふくおか ちっご世話人)
12月6日 障害者の65歳問題と重度訪問介護(浦照明さん・結〜ふくおか代表、星野圭さん・弁護士、國府朋江さん・弁護士)
12月13日 北東アジア植民地史(河谷靖さん・日中友好協会福岡支部)
12月20日 忘年会
12月27日 お休み
1月3日 お休み
1月10日「バークレー市民がつくる町」上映会
1月17日 お休み
1月24日 調整中
1月31日 「中村哲 百の診療所より一本の用水路を」(藤田千代子さん・ペシャワール会)