後藤は、弁護士の他に大学の教員もしています。
今日は授業でした。
「国際化と日本(グローカルな平和論)」という全学部対象の講座です。
この講座、毎回のテーマがかなり面白くて
核兵器と原発の歴史
自然科学から見た核兵器
語り継ぐ被爆体験
東アジアの歩み
戦時暴力と女性たち
朝鮮半島
中国人強制連行強制労働
憲法9条の現在
新しい平和運動
などについてその道のプロが講義を担当します。
僕は中国人強制連行強制労働を担当しています。
日清戦争以降の戦争の歴史。日清戦争の賠償金で八幡製鉄所が作られたこと。その背景には筑豊から産出される豊富な石炭資源があったこと。
中国との戦争が泥沼化し国力を度外視して戦争を継続した結果、労働力が不足し、朝鮮半島や中国から男性を拉致して来て、劣悪な条件で炭鉱などで働かせたこと。
戦後、政府はその事実を隠蔽してきたこと。その背景には当時中国人移入を立案しその中心人物だったのが岸信介氏(戦後首相。安倍総理の祖父)という事情があること。
裁判では強制連行強制労働の実態を詳細に認めたものの日中共同宣言によって中国人労工が裁判で賠償金を要求する権利は失われたとされたこと。しかし、裁判所は、加害者である日本政府や企業に対して自主的に中国人労工を救済するよう求めたこと。
加害企業である三菱などは判決後後、和解をし、中国人労工に解決金を払うとともに各地に慰霊碑を建立しようとしていること。その背景にはドイツのフォルクスワーゲンやメルセデスベンツといった加害企業が自主的に強制労働被害者に謝罪を賠償をしそれがヨーロッパで高く評価されていることがあること。
この問題は単なる賃金の請求ではなく、日本と中国の友好が続き再び戦争をしないように未来に向けた取り組みであること。
などをお話ししました。
講義後、女子学生からお菓子をいただきました。中国からの留学生でした。