3月19日、福岡県弁護士会主催の安保法廃止を求める市民集会が開催され会場に入りきれない程多くの市民が駆けつけ、安保法に対する不安の大きさが伺えた。民主党の野田国義参議院議員や共産党の仁比聡平参議院議員も市民に混じって熱心に聴き入っていた。
外交・防衛問題のエキスパートである講師の元内閣官房副長官補の柳澤協二氏は「安保法制とどう向き合うか」と題し、昨年強行採決された安保法制によって戦闘リスクやテロの標的となるリスクが高まっていると指摘。中国との関係については、中国が攻めてきたらなどと言う人がいるが、冷静に考えて、中国が日本やアメリカと戦争をするわけがない。中国が戦争をして兵士を犠牲にしたら、中国の国民は黙っていない。そうなれば、中国の政権は転覆するだろう。経済的にも大国化した中国がワザワザ自国の政治体制の土台を覆すような愚かなことをするはずがないと語った。
また、尖閣を中国が攻めてきたら、戦って尖閣を取り戻すと勇ましいことを言う人がいるが、じゃあ、誰が尖閣に行って戦うのか。自衛隊員は金もらってるから戦争に行って死んで当然なのか。金いらないから自衛隊やめると言ったら、その勇ましいこと言った人は自分で行って戦う気があるのか。そんな気持ちもなく、リアル感もないまま、軽く戦争を語っている。老人が若者に死ぬことを強制する権利があるのかと厳しく指摘した。
日本が戦争のリスクを避けるためにはためには、軍事力の増大や海外派兵ではなく、日本ブランドを構築することが重要。特に、敗戦の廃墟から復興した国、そして戦後1人の外国人も戦争で殺していないという平和の国というブランドは平和の実現にもっとも有用であると提言した。