飯塚市男女共同参画センターで「子どもの人権と合理的配慮〜子どもを取り巻く環境を考える〜」をテーマに校則を切り口に子どもの権利についてお話ししました。
前回は小中高生対象でしたが今回は大人向け。小中学生の参加もありました。
冒頭、中学生に学級委員になってもらい、3分前入室、2分前着席、1分前黙想をやってもらいました。実際の学校では毎授業ごとに10分しかない休みの中でこれをやっています。しかも、学級委員は5分前に廊下に出て指導を始めなければなりません。学校行くのが嫌になるし、授業の前に黙想して先生に怒鳴られるんじゃ、好きだった勉強も嫌いになる。教師って勉強を嫌いにさせるシステムを考える天才です。
人権について中学校が社会科の授業で使っている教科書を使って解説しました。この教科書が素晴らしいんです。この教科書で人権や憲法の基礎はバッチリと言えるくらいです。
この教科書の最初の方に、決まりが適切かどうかを判断する5つの視点があります。「決まりだから守れ」ではなく「決まりを疑え」という姿勢は法の支配の表れです。違憲立法審査権がそうですね。
でも、学校では「眉毛を整えてはならない」という何を目的としているのか説明ができないような決まりでも「決まりだから守れ」と厳しく指導され反論は許されず、違反すると油性マジックで太い眉毛を描かれます。
この5つの観点で校則を見ると興味深い結果となります。
例えば、防寒具としてのコートの色を黒か紺に限定する校則を例に考えます。
まず、コートの色を指定することの目的ですが、生徒の安全のためでしょう(おそらくそれを上回る上位の目標はないはずです)。そうだとすると、夜間でも視認性が良い明るい色を推奨するのは分かるけど、視認性に劣る黒や紺に限定するというのは目的を実現するためには適切な手段とはいえません。なので5つの観点の1つ目でこの校則はアウトとなります。
また、その決まりを決める場に生徒は参加していないので3つ目の観点でもアウト。
さらに、生徒にこのような不合理な決まりを強いていながら教師は何色のコートを着ても良いというのは4つ目の観点にも反しています。
しかも、明るい色のコートしか持っていなければ、わざわざ黒や紺のコートを買わなきゃいけないので経済的な点(5の観点)でもアウト。学校指定の店で指定品を買わせるなんて論外。
中学生が社会科で使っている教科書で検証しても校則は完全にアウトになります。
先生達にはこの教科書を使って人権についてちゃんと勉強して欲しい。
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