市民と弁護士が行っている憲法学習会「terra cafe kenpou」
今週(7/30)は、吉崎幸惠さん(被爆者)、浦明徳さん(被爆二世)のお二人を講師に、被爆者として憲法改正に反対する理由についてお話を伺いました。
1 原爆の日を覚えているか
吉﨑 鮮明に覚えている。5歳だった。爆心地より3.5㎞だったので,家は焼けずに残った。あの日,いとこたちと家で遊んでいた。良く晴れて空は真っ青だった。突然ピカッと光って真っ白になった。次におそってきたのは爆風。原爆の威力は放射線だと思っていたが,50%が爆風,30%が熱線,20%が放射線。爆風でほとんどの家がやられる仕組みになっている。ガラスの破片などが足に刺さり怪我をしながら防空壕へ逃げた。
浦 父が6~7歳の頃。竹藪で遊んでいた。竹藪は放射能を遮る力があると言われている。祖父は,諏訪神社の宮大工だった。あの日の3年後から寝たきりになり,5年後48歳で死亡。もっとやりたかったことがあったと思う。父はあの日家に帰ると,どこに家があるかわからない状態だったので実家の五島に避難した。自分が被爆二世と知ったのは小学校3年の頃。何で浦家にはじいちゃんがいないんだろうと思っていた。
2 何故被爆者なのか
浦 日本が真珠湾攻撃したのが間違い。
吉﨑 日本は戦争の歴史。第二次世界大戦では鉄砲の弾に当たって死ぬより餓死が多い。食べられるものは全部食べて,餓死していった。今,戦争前夜のような状態になっている状態が怖い。吉永小百合さんが「いつまでも戦後が続いて欲しい」と言っているが同感。安保法制は「平和安全法制」といって9月19日の夜中に通ってしまった。悪法は夜中に通る。
浦 秘密保護法がとおり,安保法がとおり・・・自民党,公明党は怖い。暴力で支配する。数の暴力。ヒットラーのようなやり方。
吉﨑 第二次安倍政権が成立したとき,安倍はブッシュの軍用犬,小泉はポチといわれた。
浦 生活保護は月4,000円も引き下げられた。生活保護者にとっての4,000円は本当に大きい。高島市長は麻生財務大臣にべったり。国会議員の特権は戦争になっても兵隊にならないこと。だから9条に自衛隊を加筆しようとしている。
吉﨑 自衛隊は遺書を書いてPKO活動に行っている。
浦 丸山発言は日本国憲法9条,99条違反だと思う。丸山氏は若いので,何を言っても罰せられないと思っている。
一番怖いのは核兵器。核兵器を所持している国は,どこに核兵器を落とすかわからない。信用できない。日本国憲法9条だけが信用できる。
3 語り部活動
吉﨑 いろんな方に戦争体験を聞いてきた。原爆が落とされたとき,満鉄で働いていた人たちが呼び戻されたが,横たわる死体を踏みつけて,まずは,腰にサーベルを付けている人の救助にあたったという。
小中学校で語り部活動をしている。子ども達の感想文には「自分たちにできる事をやりたい」「戦争はいいことない」等々必ず書いてくれる。心を込めて語れば子ども達は皆理解してくれる。
浦 千代小学校に語りに行っている。自分は障害者だとは思っていない。障害者だと思っていたらこんな服(法衣)を着ていない。
4 原爆と人間展
吉﨑 柿の木プロジェクトというのがある。被爆した柿の木を再生させ,その子ども達をいろんなところで育て,平和を広めようというプロジェクト。自分は東京の神田小学校から苗をもらい,福岡で植樹活動をしている。被爆柿の木三世。子ども達は被爆柿の木四世を育てたいと言ってくれる。今年の原爆と人間展は柿の木アートを企画している。柿の実や葉っぱの形に切った紙にたくさんのメッセージが届いている。是非見に来て欲しい。参加者にもメッセージを書いて欲しい。
柿の木をはじめ,今年の原爆と人間展はたくさんの展示をする予定。
吉﨑 被爆者が戦争を語り継いでいくということは使命だと思っている。ある時被爆者の体験談を聞いた。涙が止まらなかった。自分の言葉で話すという迫力を感じた。それ以来,できるだけ自分の言葉で伝えるように,自分には何の能力もないが,できる事を,一生懸命工夫してやっている。
今,子ども達が語り部活動を始めている。被爆者がいなくなっていく中,あの日を語り継ぐことは被爆者でなくてもできる。たくさんの語り部が育って欲しい。
8月6日~20日までterra cafe kenpouはお休みです。
8月27日は、日高明子さん(友好と平和のための東アジア近現代史研究会)を講師に「神社と孔子廟~政治思想から読み解く日韓の近代~」をテーマにお話を伺います。
朴槿恵大統領の退陣を求める「キャンドルデモ」には、韓国人の3人に1人が参加をしたと言われています。一方、日本では選挙の投票ですら半分近くが棄権をしている状況です。
ともに東アジアに位置し、長らく隣国として交流を続けている日本と韓国ですが、中国にならい儒教(朱子学)を体制教学とした韓国(李氏朝鮮)と、そうしなかった日本(徳川幕府)とでは政治体制に大きな違いがありました。そのことは両国の民の政治意識にどんな違いを生んだのでしょうか。
政治思想史の観点から、日本と韓国の近代の相違点を考察します。
お楽しみに。
日時 8月27日(火)19:00-21:00
場所 光円寺門徒会館(天神3丁目15-12)
テーマ 神社と孔子廟~政治思想から読み解く日韓の近代~
講師 日高明子さん(友好と平和のための東アジア近現代史研究会)
【今後の予定】
terra cafe kenpouの今後の予定をおしらせします。
特に記載がない限り火曜日19時~光円寺門徒会館(天神3丁目15-12)です。
予定は入れ替わるかもしれません。下記サイトでスケジュールをご確認ください。
なお急遽会場変更になることもございます。変更の場合は下記サイトでご案内します。
8月6日 お休み
8月13日 お休み
8月20日 お休み
8月27日 神社と孔子廟~政治思想から読み解く日韓の近代~(日高明子さん・友好と平和のための東アジア近現代史研究会)
9月3日 デモってラブレター⁈(いのうえしんぢさん・イラストレーター、古瀬かなこさん・ゆるり草主催)
9月10日 心理学とカウンセリング(仮)(藤岡希美さん・心理学検定特1級産業カウンセラー)
9月17日 お休み
9月24日