体育祭の練習が始まった学校が多いようですね。
気になるのは学校で多用される「連帯責任」
学校以外の社会ではほとんど耳にすることがない言葉です。
学校では、ある生徒が忘れ物をしたりすると、その生徒が所属する班やブロックにペナルティが課されます。今の時期だと、そのペナルティが点数化されて、体育祭の際に、それぞれのブロックの点数から引かれます。つまり、体育祭開始時に、0点からスタートするのではなく、赤組がマイナス48点、白組マイナス30点といった具合にマイナスからスタートする運用がされています。
こんな分断と憎しみしか生まないようなサディスティックなシステムを良く考えつくなと教師の思考に呆れてしまいます。教師の人権感覚を疑います。
なお、連帯責任という考えは、日本国憲法の個人責任の原則や適正手続の観点からは原則的に否定されており、ごくごく例外的な場合(共同不法行為、連帯債務、選挙における連座制など)しか認められないものです。そして2017年の民法改正では連帯責任をさらに限定する方向で改正がなされています。学校のように無限定に「連帯責任」を適用することは許されないことです。戦争を遂行する原動力となった「隣組」制度が形を変えて学校の中に残ってしまったのでしょうか。
福岡市教育委員会いじめ防止対策委員会は「調査報告書」(2022年(令和4年)3月)で、
教師が生徒に強いる連帯責任について「当該指導は過度に連帯責任を部員らに追求するものと受け止められるもので」「いじめにつながった可能性も否定できない」と厳しく指摘しています。
https://www.city.fukuoka.lg.jp/data/open/cnt/3/95295/1/hokokusyo_chu.pdf?20220404121856
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