最近、友人が本を書きました。
「脳性麻痺ハンドブック 第2版 療育にたずさわる人のために」
です。

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障害者が一人暮らしをするに際して家族や社会の理解を得ることの難しさを、自らの体験を通じて自分の言葉で書いています。
この本にある「性・結婚問題」は私たちの意識を揺さぶります。
以下に一部抜粋。
「俺たちは天使じゃない」と、清く正しいそれまでの障害者像を打ち砕こうと必死にもがくのもこの頃である。「いい子だったのに」「他人様から介助される身でありながらなんという贅沢な(おぞましい)ことを」という非難や軽蔑の目と闘いながら、自分の欲望と折合いをつける苦悩の時期である。女性の障害者となるとさらに深刻である。
性的事情に対する基本的姿勢としては、障害者の性欲を当然のこととしてありのままを認めることに始まる。まずは障害者ということで頭から否定しないこと。
性の問題は基本的人権に関わる問題であり、考え方も多様である。周囲の考えを押し付けないこと。お互いの人権を認め合うこと、相手の人格および体を傷つけないことが基本である。
また、「包括教育」の章も非常に興味深く読みました。
以下に一部抜粋。
障害の程度を問わず彼らが有する潜在的能力を過小評価する結果、正当な教育の機会を得ないままでいることが多い。障害が重度であるほど、生来の能力欠陥として考えられがちであるが、実際には障害の直接的原因の他に適切な生活環境や教育内容が不足していることが発達のひずみの原因になっていることが多い。
(生後2日目に新生児痙攣を引き起こし両麻痺型重度脳性麻痺のAさんは)就学は地域の普通学校を希望したが、独歩できないという理由で、教育委員会は養護学校への就学を指導した。
危惧感をもった父親は社会的にも働き掛けた。参議院文教委員会での障害児就学についての質疑にはAさんのことが取り上げられ、参考人として父親は国会にも出席した。
かくして、数回にわたる長崎市就学指導委員会では、1年後に見直しという条件付きで、やっと地域の学校への入学が決定、中学卒業まで普通学級でやり通した。
Aさんは、語学に堪能で、日本語、フランス語、中国語、英語、ドイツ語、イタリア語の6か国語を話すようになり、中国語弁論大会で優勝、パラリンピック長野大会では、フランス語担当で案内役をつとめたそうです。