防寒具はブレザーの上から着用しなければならない校則と闘う高校生にこんなアドバイスをしました。

僕だったら文科省の生徒指導提要を使います。
まず「昨年12月に生徒指導提要が改訂されたことはご存知でしょうか」と先生たちを試します。だって、先生たちって生徒指導提要読んでないですもん。
生徒指導の目的は、生徒一人一人の個性を発見し、伸長することとあります(生徒指導提要13頁)。
すなわち、生徒指導の目的は生徒を画一的に管理することではなく、生徒の個性を尊重すること、自分のことは自分で決めるという自己決定権を育むことにあります。
防寒具をブレザーの上に着用するか、それともブレザーの下に着用するかは、人それぞれです。大人だってそうでしょう。コートを羽織る人もいれば、ジャケットの下にベストやセーターを着る人もいる。それを他人に決められるのは嫌でしょう。コートを着ている人が多い中、少数の人がコートではなくベストを着用していたとして、あなたがたはそれを「だらしない」とか「まとまりがない」「着崩している」というのでしょうか。世間では、これを「多様性」と言います。あなた方は多様性が嫌いなのですか。

校則には法的根拠がないということは良く知られているところです。
では、なぜ法的根拠もなく校則で生徒の自由を規制しているのでしょうか。なぜ人権侵害とならないのでしょうか。
それは、①生徒の教育を受ける権利を充足するという目的を達成するための、②必要最小限度の規制だからです。つまり、校則の目的が不合理であれば直ちに人権侵害となります。
では、防寒具をブレザーの上に限定することにどのような教育目的があるのでしょうか。
「決まりに従わせる」というのは教育目的にはならないことは先生たちもお分かりりかと思います。そんなことを教育目的にしてしまえば、理不尽なことにも声を上げずに黙って従う人を作り、ひいてはブラック企業で過労死するまで働かされる人達を大量生産することにつながります。

防寒具の目的は、生徒の健康を守るためでしょう。健康を損なえば生徒の教育を受ける権利を充足できませんからね。
では、生徒の健康を守るという目的を達成するために、防寒具は必ずブレザーの上から着させる必要はあるでしょうか。
もちろんブレザーの下にベストやセーターを着ても目的は達成できますね。
ということは、防寒具をブレザーの上から着せることにこだわるのは目的達成のための必要最小限の規制とは言えないということです。

中学校の公民の教科書には、決まりを評価する観点という項目があります。
決まりだから守れではなく、決まりを疑えという視点です。
その評価基準は5つあります。
①目的を実現するための適切な手段になっているか。
②だれにとっても同じ内容を意味するものになっているか。
③決まりを作る過程にみんなが参加しているか。
④立場をかえても受け入れられるものになっているか。
⑤みんなのお金や物、土地、労力などが無駄なく使われているか。

防寒具をブレザーの上から着なければ生徒の健康を守れないわけではないので、適正な手段と言えず①に違反しますね。
次に、先生たちはコートだけじゃなくベストやセーターでもなんでも着て良いのに、生徒達には防寒具をブレザーの上から着る物に限定するというのは、生徒と教師という立場を変えても受け入れられる決まりになっていないので④にも違反します。学生のうちは自由はない、我慢しろなんてことは言いませんよね。フランス人権宣言には、人は生まれながらに自由であると書いてあって、大人になったから自由だとは書いてませんね。
また、コートを持っていない人はわざわざ新しものを買わなきゃいけません。お金の無駄ですね。⑤にも違反します。
中学校の公民の教科書からみても、先生たちの言っていることは合理的ではありません。
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