2017年の入学式で中学校PTA会長としてこんな挨拶しました。

警固中学校にご入学おめでとうございます。保護者の皆様おめでとうございます。また地域の皆様、雨の中ご列席いただき誠にありがとうございます。

新入生の皆さん、はじめて制服を着た感じはいかがですか。憧れていた制服を着てワクワクする気持ちでしょうか。中には着慣れない服を着て窮屈に感じている方もいるかもしれませんね。どうしても自分には似合わないと感じる方もいるかもしれません。

これから皆さん達は、様々な疑問や、矛盾を感じる場面にぶつかっていくでしょう。そういう時は、なぜ違和感を覚えるのか、なぜおかしいと感じたのか、その理由を自分の頭で考えることが大切です。そしてどうすれば良いのかを周りの大人と一緒に考えましょう。

皆さん達が安心して勉強できる環境を作るのが私たち大人の使命です。もし、皆さんの疑問に対して「中学生のくせに生意気だ」などと言う大人がいたら、それは大人の方が間違っています。皆さんには、ぜひ生意気な中学生になってもらいたいと思います。

警固中学校校歌の中に「絵巻は展く平和台」とあります。平和台というのは警固中学校のすぐ隣にある舞鶴公園の別名ですね。でも71年前まで平和台という地名はありませんでした。かつてこの一帯には日本軍の軍事施設がありました。戦争で福岡市は焼け野原になり、もう二度と戦争はしない、子ども達に平和な未来を残したいとの強い思いで、この場所を「Peace-Hill」すなわち「平和台」と名付けました。その願いの通り、私たちは70年間、戦争の恐怖に怯えることなく平和の中で暮らすことができました。そして今、私たち大人は、皆さんにも飢えや戦争の不安がない社会を引き継いでいきたいと強く思っています。皆さんの平和な暮らしを脅やかすものがあれば、私たちは全力でそれを排除します。

今、社会は複雑化し、世界の中のわが国の位置も大きく変化しています。その激動の時代にあっても、明るい未来を信じて、今日よりも明日、明日よりも明後日と、一歩一歩成長していくことが大切です。皆さんの成長を助けることが私たち大人の役割です。

保護者の皆さん、9年間の義務教育の後半3年間に入りました。義務教育という時、子どもが学校に行く義務だと勘違いをしている方もいるかもしれません。義務教育というのは子どもの義務ではなく大人の義務のことです。子どもにあるのは義務ではなく「教育を受ける権利」です。子どもが安心して教育を受けることができるように環境を整えること、子どもの成長を阻害することに対しては全力で立ち向かっていくことが私たち大人の義務です。

新入生の皆さん、これから3年間、安心してのびのびと勉強に励んでください。警固中学校で過ごす3年間が皆さんの人生にとってかけがえのない宝になることを願い、PTA会長の挨拶といたします。

警固中学校父母教師会

会長 後藤富和